2022年度

修士論文

<要旨>

感染症や大規模な自然災害といった事態に対し政府は早急に様々な政策を講じる必要がある.地域の実情や人々のニーズを把握し政策に反映させることが望ましいが,大規模な社会調査を行うことは困難である.ここで,Web上には日々記事が投稿され,人々が記事に対してコメントをしている実態に着目すると,ニュースサイトのコメントから人々の関心事を把握できる可能性がある.しかし,コメント数は膨大であり,さらにその内容や質は様々であることから,これらの背後にある社会的関心を見つけることは容易ではない.そこで本研究では,コメントに対する人々の賛同に着目し,賛同を考慮したうえで大量のコメントから特徴的な関心を抽出することを試みる.自然言語処理の手法であるBERTを用いて,2020年6月から2021年5月末までの新型コロナウイルス感染症に関する記事に寄せられたコメントで実証する.

卒業論文

小型除雪機の地域への 割り当て基準の作成方法 

:岡田 雄太

<要旨>

気候変動の影響により,極端に多い降雪が局地的に生じることが予測されている.また, 除雪作業を担う建設業の人手不足の進行で,地方自治体が十分な除雪ができない事態に直面 する.そこで,地方自治体が小型除雪機を町内会に貸し出し,除雪の役割を分担することが 重要となる.その際には,どのような条件の町内会に何台の小型除雪機を割り当てるかを示 した基準が必要になる.そこで本研究では,基準を作成するための数理モデルを混合整数計 画法に基づいて構築する.また,鳥取市内の町内会を対象として,クリギングを用いて降雪 量を推定した上で実証的に基準を導出する.